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舞台を観ている気分だった。『母と暮せば』感想

なんだか舞台を観ているようでした。それがいいとか悪いとかいう話ではなく。

ただただ不思議な感覚でした。

 

ネタバレあります。

 

山田洋次監督の『小さいおうち』という映画が好きです。

時代設定は古いのに、作品自体は古臭くなく温かい空気を感じさせてくれます。

今回の『母と暮せば』も戦後のお話ですが、やはり古臭くも暗くもなりすぎず

人間同士のあたたかな思いやりを感じさせてくれる映画でした。

ただ、観客に向かって説明をしているような声の発し方やセリフ回しが多く

私にはどうも苦手でした。たぶんこれが、舞台を見ているような感覚に陥った理由。

 

一番好きだったのは、小学2年生の女の子民子が、出兵した父親の生死を確かめに町子付添いのもと役所へやってきたシーン。

父親はフィリピンで戦死していました。

「もしお父ちゃまが戦死していたら、場所と状況を書いてもらってきなさいっておじいちゃまに言われたの」(ニュアンス)

「どんなにつらくても、私は泣いちゃいけないの。妹たちのためにも絶対に泣かないの。」(ニュアンス)

涙をこらえる姿が痛ましい。これを演じる本田望結ちゃんが本当に素晴らしかった。一番泣いたシーンです。

 

生の世界は3年たっているけれど、浩二は3年前の原爆当時の学生のまま。

見た目はもちろん、思考が周りと比べてとても子供です。

そんな浩二が幽霊となって母の前に現れてからの内面の成長がすさまじい。

そして、自分が死んでいることは理解していて

「浩二は元気にしてた?」という母親の問いかけに対して大笑いしながら「僕は死んでるんだよ!」と言いかえす。

にもかかわらず、後日改めてあなたはもうこの世にいないのよと言われるとそうか、とびっくりするほどの落ち込みぶり。

幽霊だというのに感情の起伏が激しくて、ちょっとかわいい。

 

町子と浩二、町子と伸子、それぞれの間にある愛情をたくさん感じられるのですが

後半はもう浩二と母の愛情物語みたいで正直少し気持ち悪かったです。

すごいレベルのマザコンと子離れできない母親みたいな画に観えてしんどかった。

ただ、母が逝去するシーンはちょっと救われました。

近所の知り合いは「一人で死んだの?かわいそうに・・・」と憐れむけれど

本人としてはずっとつらかった生を終了し、この先はずっと息子と一緒にいられるという最大の幸福をもってこの世を旅立っているのでこの映画では”伸子の死=悲しみ”ではないのです。

 

伸子が男性に言い寄られて照れて見せるシーンを観て、”ああ、こういうかわいらしさが吉永小百合が世のオジサマ達から愛される理由なんだろうなあ”と思ったけど、どうも私は好きになれない。

この映画の中だけは、伸子は母としてだけ存在してほしかった。女の顔はみたくなかった。

 

原爆や戦争という重く悲しい時代背景中に、たくさんの愛が描かれています。

そしてさすがは日本アカデミー賞主演男優賞を受賞した男、嵐・二宮和也は素晴らしい。

 

あらすじ

1948年8月9日、長崎で助産師をしている伸子(吉永小百合)のところに、3年前に原爆で失ったはずの息子の浩二(二宮和也)がふらりと姿を見せる。あまりのことにぼうぜんとする母を尻目に、すでに死んでいる息子はその後もちょくちょく顔を出すようになる。当時医者を目指していた浩二には、将来を約束した恋人の町子(黒木華)がいたが……。

映画『母と暮せば』 - シネマトゥデイ

スタッフ&キャスト

『母と暮せば』(2015年)

母と暮せば [DVD]

監督:山田洋次

脚本:山田洋次、平松恵美子

出演:吉永小百合、二宮和也(嵐)、黒木華、他

 

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